台湾再訪@一人でネコ村

豊田村で何もしない苦痛の4時間を過ごした翌日(無事に脱出できた)、花蓮から台北へ戻った僕は、最終日の予定を思案していた。台湾の首都台北は見どころ満載である。世界一の高さを誇る台北101。ショッピングもたのしい西門町。中国歴代王朝の宝物が集う故宮博物院。そして、猫村である。

さてどこへ行こう。

台北101は苦い思い出があるためナシだ。西門町はナウなヤングが集っているため行きづらい。となると、故宮博物院か。もしくは猫村か…。

驚くべきことに、今回で台湾訪問7回を数える僕だが、故宮博物院へは一度も行ったことがなかった。台湾へいったというと、必ず「故宮よかったでしょ?」と聞かれるが、実は行ったことがない。ルーブル美術館とも並び称されるあの故宮へ行ったことがないのである。かの有名な、ガラスでできた白菜の置物を見たことないのである。

台湾を訪れた観光客の99パーセントは行くであろう最重要観光地である故宮博物院。と、猫村。さてどちらへいこうか…。

 

2時間後。

僕は、猫村へ来ていた。

あれだけ煽った故宮博物院はまたもお預けである。

台北から鈍行列車で1時間ほどのところにある猴硐という駅を降りると、そこはあちこちでネコがくつろぐ天国のような場所。だって駅のベンチにネコがねているんだよ!駅前のお土産物屋やカフェも猫仕様。まさにネコ好きの聖地である。夕方の4時過ぎにも関わらず、ネコ好きな台湾人でいっぱい。僕もみなさんにならって、ネコたちといいだけ戯れ、たくさん写真をとり、至福の時間を過ごしたのだった。

なお、この村は日本統治時代から工業?で栄えていたようで、駅から少し歩いた高台には、かつての神社跡があり、日本統治時代の遺構好きの方にとっても大変満足できる場所である。

1時間以上至福の時を過ごした僕は、とっても満たされた気持ちで台北行きの列車へ乗り込み、村を離れたのだった。

 

帰国後、職場で台湾へ行ったことを話した。

『いいなあ~。どこいったの?故宮?』

「いやいや、ちょっとこの写真見てくださいよ!ここ猫村っていうんですよ!」

『へえ~。すごいねえ(棒) 故宮は?』

「いってないですよ。猫村いったので。」

『え?故宮行ってないの?そのわけわかんない村行って?』

「いってないです。」

『…。お前はアホか…。』

 

故宮へ行かず、あえて猫村へ行った僕は、底抜けの阿呆である。

 

なお、これ以降台湾を訪れていないため、僕の台湾の思い出は、いまも猫村でとまったままなのである。