2023-01-21から1日間の記事一覧
博多港を出港した高速船は、東シナ海の大海原を疾走していく。そのあまりの揺れっぷりに、僕は嘔吐寸前だ。 湯布院でのアルバイト中、博多から韓国の釜山へとわずか3時間ほどで行けるという情報を得た僕は、4日間の休暇をもらうと、早朝に湯布院を脱出し、福…
本来、大学生の卒業旅行というのは、ヨーロッパだハワイだと海外へ行くことが多いようだ。社会に出る前に、学生生活最後の思い出として、気心のしれた仲間と海外旅行へ…。よく耳にする話である。では、大学にほとんど友達のいない人間は、いったいどうしたら…
真冬日を体験したい。 ただそれだけの目的で函館を訪れたのは、前回の旅から半年後の2月。 仙台の友人宅から新幹線と特急列車を乗り継ぎ函館へ。 そして気まぐれで下車した木古内駅で大いに後悔した。 なんとなく面白そうという理由で降りたはいいものの、…
青森からさらに南下をつづけた僕は、ついに岩手県へ侵入。 昨年も訪れた民話の故郷遠野を再訪だ。 遠野では、例の宿で2泊3日を過ごし、あいかわらず姨捨山やち●こをかたどった神様を眺めて満喫したのだが、2日目の夜にこんなことがあった。 夜の雑談タイムの…
青森へはフェリーで津軽海峡を越えてみることにした。 なんと、青春18きっぷでは、青函トンネルを通過することができないのである。なんとも不便な切符なのだ。 さて、函館駅から路線バスに乗り、函館港へ到着した僕は、さっそくフェリーの切符を購入。い…
ニセコから丸一日かかってようやく函館についた。 函館を始めて訪れたのは、高校の修学旅行の時だった。 自由行動ということで、女っ気のない陰キャ男子4人で回ったわけだが、おしゃれな港町なんぞ陰キャ野郎には似合わないはずなのに、僕は函館という街がと…
札幌から函館へ行くには、特急列車が一番早い。それでも3時間はかかるが、常人はこの手段を選ぶことだろう。 深夜バスも走っている。函館まではおよそ5時間だ。これを選ぶのは、自分を痛めつけたいマゾっけのある人か、自分に厳しい試練を与えたい修行僧くら…
宗谷本線で稚内まで来たものの、ここは日本の突き当りなので、どうにかして戻らなくてはならない。ここから先はロシア。これ以上先へは進めないのである。 もう一度、宗谷本線にのって戻ることも考えたが、お尻が痛い。 さて、どうしよう。 ぼんやりと考えな…
宗谷本線は、旭川から稚内まで伸びる、全長300㎞もある長い路線である。 美瑛で3日間を過ごした僕は、午前10時ごろ、饒舌系台湾人と一緒に、富良野線で旭川駅へと出た。 今朝初めて知ったのだが、彼はこれから北海道大学へ留学するための大事な試験がある…
美瑛と言うのは、とても美しい街である。 どれくらい美しいかと言うと、「日本の美しいむら百選」に選ばれるほどである。 街中に畑が広がり、北海道らしい、とても雄大な景色を満喫することができる。 美馬牛のユースホステルに宿泊した翌日、僕もレンタサイ…
充実の夜を過ごし、これで心残りもなく遠野を発つことができる。 「もう寝過ごしちゃだめだよ!」 とみんなにいじられながら宿を出発だ。 年上系女子2人と歩きながらバス停へ向かうと、背後から大きな声が聞こえた。 「いってらっしゃーい!またこいよー!」…
遠野には昼前についた。 津山女子を待伏せしようという不埒な理由で早起きしたこともあって、思いのほか早く到着した。 駅を出ると、交番やお店など、そこら中にカッパがいた。 遠野は民話の故郷で、妖怪がそこら中にいるという噂の街なのである。 駅前の小…
平泉の駅から歩くこと15分ほど。 平泉の中でもトップクラスの観光地として名高い毛越寺のなかに、本日の宿はある。その名を「毛越寺ユースホステル」という。 宿泊客は僕のほかに2人いた。一人はなんと東大生である。 東大生って本当にいるんだあ、と感嘆の…
新潟駅を出発した列車は日本海沿いを北上していった。 朝の通勤通学の時間帯と言うこともあり、列車には女子高生がたくさんのっていた。 女子高生を眺めることで、初めの2時間くらいはとても充実した鈍行列車ライフを過ごすことができたのだが、女子高生が…
一日2,300円で列車に乗り放題というとんでもない切符をJRは販売している。 「青春18きっぷ」という名の破格の切符は、青春を感じたい人間ならだれでも購入することが可能である。別に18歳しか購入できないきっぷと言うわけではない。 大学2回生の9月、青春…
学生時代に僕が加入していたサークルでは、毎年「海外合宿」を行っていた。 「海外合宿」と言えば聞こえはいいが、ようするに、ただの旅行である。 僕が加入してからは、グアムと香港という、合宿を行う場所とは到底思えないリゾート地で合宿を開催した。し…