台湾リベンジ 第10夜 花蓮

2008年1月24日 台東の夜は長い。 まして外の散策もテレビ鑑賞も不可となったこんな夜はさらに長く感じる。 ベッドに寝転がり、今夜のエンジョイメニューを考えてみたところ、カラオケ、しりとりなどの楽しい企画が浮かんだが、一人するとなるとちょっ…

台湾リベンジ 第9夜 台東

2008年1月23日 『ウ~ッワンワンワン!!』 『キュウ~イ!!キュウ~イ!!』 『キャキャキャキャ!!!』 …。 怖い…。 深夜から街中に響き渡る獣(と思われるもの)たちの鳴き声。 ここ多納村は山の中のちょっとした土地に作られた村。最寄の街から…

台湾リベンジ 第8夜 多納

2008年1月22日 お元気でしょうか?そちらは極寒の中、後期試験で苦しんでいることと思います。 日本を離れ今日で1週間、何の連絡もないのでさぞかし心配していたことと思いますが、僕はまだ生きています。台北から西へまわり、台中では宿の料金交渉…

台湾リベンジ 第7夜 得恩谷

2008年1月21日 『お、お兄ちゃんあんたここまでいったい何で来たのよ…?』 「い、いや、バスですけど…」 『バ…ス…?』 「そ、そう…」 『え、エェェェェッ~!!』 日が陰り始めた午後4時半、僕は台湾南部の山中で観光案内所のおばちゃんに絶叫を浴び…

台湾リベンジ 第6夜 高雄

2008年1月20日 ここ台南には、神様になった日本人がいた。 「神様になった」といっても、別に宗教団体の教祖になったわけではない。死後に神様として信仰の対象として祀られた日本の兵隊さんが台南にはいたのだ。 昨年、台湾へ初めて行った際に訪れた…

台湾リベンジ 第5夜 台南

2008年1月19日 ZZZ … ZZZ… ジリリリン! ジリリリリン! ジリリリリン! ZZZ… ZZZ… ジリリリリン! ジリリリリン! ジリリリリン! …。 ジリリリリン! ジリリリリン! ジリリリリン! …。 うぅぅ…。うるさい…。 まだ4時だぞ…。 あとで知ったことだ…

台湾リベンジ 第4夜 阿里山

2008年 1月18日 台湾中西部の街、嘉義。鶏肉飯で有名なこの街であるが、実は阿里山へと向かう交通の起点となる街としても有名なのである。 阿里山というのは、標高2000mくらいの山で、日本時代に国立公園として開発され、山中でとれた杉は日本本…

台湾リベンジ 第3夜 嘉義

2008年1月17日 台湾は島国であり、しかも真中に3000メートル級の山々がそびえ立っているため、鉄道というものはあまり発達していないようだ。地図をみれば分かるように、ちょうど島を一周するように海岸線を鉄道が走っている。しかしその他には昨…

台湾リベンジ 第2夜 台中

2008年1月16日 ハッと目を覚ますと、時計の針はなんと10時を指していた。まずい、初日から大寝坊である。 昨晩、ホテルのテレビをつけると、坂口○二主演のドラマ『医龍』が放送されていた。台湾ではケーブルテレビが主流であり、その中には日本のド…

台湾リベンジ 第1夜 台北

2008年 1月15日 リベンジである。 1月15日、22時ちょうど。 僕は1年ぶりに台北の駅前に立った。 相変わらず蒸し暑い台北の街。しかし、どこか懐かしかった。 昨年の夏、サークルの仲間を引き連れ台湾にやってきた僕は、見事に台湾にハマってし…

ヨーロッパ紀行 エピローグ

「ニホンジンノオキャクサマ、ササノッテノッテ!クウコウヘムカウヨ!」 ローマ空港まで案内してくれるというイタリア人男性は、そういいながら奥さまのキャリーバックだけを素早く手に取り、ホテルを出て送迎用の車へと向かった。僕のキャリーバックの方が…

ヨーロッパ紀行 第24夜 ローマ 

『Oh!アリガトウ!コレニホンゴメニュウー!』 …。 朝にも関わらず、めっちゃ客引きしてくる我々の救世主。いったい何時から営業しているんだ、この店は…。 駅へ行く時に必ず通る道なので避けようがないのだが、朝からあの大型ピザを食べるのは無理だ。シッ…

ヨーロッパ紀行 第23夜 バチカン

『すべての道はローマに通ず』という格言がある。 その当時のローマ帝国の繁栄ぶりを伝える言葉なのだが(たぶん)、学生時代、「本当にすべての道はローマに通じているのかしら?」という疑問を持った僕は、中国から陸路でローマを目指そうというふざけた旅を…

ヨーロッパ紀行 第22夜 シエナ ローマ

今回の「フィレンツェ・ローマ6泊8日の旅」は、フィレンツェ3日間(といっても初日は深夜着)とローマ3日間の日程が組まれているのだが、前述したように決まっているのは飛行機とホテルのみで、あとはご自由にお過ごしくださいという放任主義。つまり、フ…

ヨーロッパ紀行 第21夜 フィレンツェ

ゴーンゴーンゴーン… どこからか鳴り響く教会の鐘の音。そのあまりのうるささに目を覚ました。時計を見ると、朝の6時半。まだ寝ていたいが妙に頭はさえている。日本ではもうお昼すぎ。これが時差の力なのだ。にもかかわらず、奥さまはまだ眠ったまま。よほ…

ヨーロッパ紀行 第20夜 フランクフルト 

僕の旅は基本的に一人である。 一人旅のほうが気楽だから!なんて昔は言っていたが、はっきり言う。それは強がりだ。僕は友達が少ない。故にいつも一人旅だったのだ。(後輩を連れた1度目のヨーロッパの旅は例外中の例外) しかし、まさか2人でヨーロッパを…

ヨーロッパ紀行 第19夜 ブリュッセル 

小便小僧はどこだ。 ブリュッセルといえば小便小僧、小便小僧といえばブリュッセルである。ブリュッセルの中央駅であるブリュッセル西駅から案内板を頼りに探してはみたものの、完全に迷子になってしまった。 ブリュッセルを歩いてみて気づいたことがある。…

ヨーロッパ紀行 第18夜 ゲルゼンキルヘン 

今日こそは早起きだ!との決意を込めて旅行者とは思えないくらい早く眠った結果、朝7時台の電車に乗ることに成功した。社会人5年目ともなると、早起きもできるようになってくる。 旅も本日を含めて実質あと2日。 昨日、抜群の不味さのチャーハンを食べた…

ヨーロッパ紀行 第17夜 ヒルデスハイム ハノーファー

「Exucuse me? I`d like to stay here one more night, ok?」 『Oh, ok, sure』 やっちまった…。連泊しちゃった…。 何度でもいうが、この旅はパリでのんびりするために計画したのである。 今日で旅は3日目。それにもかかわらず、僕はパリからはるか遠く、…

ヨーロッパ紀行 第16夜 ハーメルン 

昨晩はベルリン中央駅前という早朝移動には最高の立地にたつビジネスホテルに泊まった。それにも関わらずすっかり寝坊した僕は、見事に始発電車への乗車に失敗。駅前広場で途方にくれながら、あいかわらずとてもしょっぱいカリーブルストで朝食をすませた。 …

ヨーロッパ紀行 第15夜 ベルリン

3度目のヨーロッパの旅は、前回の続きであるフランクフルトからスタートした。前回、前々回の旅とはことなり、直行便ではなく、初のヘルシンキ(フィンランド)乗り換えのため、フランクフルト中央駅に降り立つころには夜の9時を過ぎていた。 当初の計画で…

ヨーロッパ紀行 第14夜 ハルシュタット 

来てから知ったことだが、オーストリア第3の街リンツは、なんとあのアドルフヒトラーが育った街らしい。とんでもない街に来てしまった…。帰国後『オーストリアでどこへいったの?ウィーン?』と尋ねられた際、「ヒトラーの育った街、リンツです」などと答え…

ヨーロッパ紀行 第13夜 リンツ 

かつて偉い王様の本拠地だったチェスキークルムロフ。しかし、王の没落ともに街はすたれ、取り壊すどころかむしろ放置され何百年も経過。結果として中世の街並みが当時のままほとんどすべて残るという奇跡がおきた。いまでは当然世界文化遺産に登録されてお…

ヨーロッパ紀行 第12夜 チェスキークルムロフ

共和国広場を一人後にした僕は、吸い寄せられるように広場近くのお土産物屋さんに入った。どこの観光地でもありがちな定番のお土産を見ながらひとりの夜を満喫していると、スキンヘッドな男性が僕に声をかけてきた。 『Hello. You are Japanese?』 「はあ…?…

ヨーロッパ紀行 第11夜 プラハ

翌朝、共産主義時代のプラハの街と同じくらい重苦しいホテルの部屋(窓がないからずっと暗い)を抜け出し、早朝のモルダウ川沿いへ繰り出した。 朝日に照らされキラキラ輝くモルダウ川から眺めるプラハ城はやはり素晴らしく美しい。昨日は「重たい雰囲気がする…

ヨーロッパ紀行 第10夜 プラハ

スメタナの交響曲「わが祖国」が流れる中、バスはプラハ市内へ入り、中央駅前で停車した。ヨーロッパ4か国目、チェコ共和国に入国である。 今回の旅で僕は「世界一美しい街を探せ」というテーマを掲げていた。一人旅のむさい男子が絶対に掲げてはいけないテ…

ヨーロッパ紀行 第9夜 ニュルンベルク

「ちぇ、チェックアウトぷりーず…」 『Oh, OK. ダンケシェーン』 「だ、だんけしぇーん…」 よかった、通じた…。 チェックアウトの際、受付にいたのは昨日の英語ぺらぺらおやじではなく、かっぷくのよいおばあちゃんであった。彼女はゆっくりした英語で話し、…

ヨーロッパ紀行 第8夜 ケルン

パリ北駅周辺は、パリ市内で最も治安の悪い場所といわれている。できることなら近づきたくないわけだが、空港から市内へ向かう電車へ乗ったところ強制的につれてこられてしまったのだから仕方がない。 プラットホームを出ると、1年前に聞いた懐かしいフラン…

ヨーロッパ紀行 第7夜 パリ

六日ぶりにパリへ戻ってきた。空はどんよりと曇っており、なんだか肌寒い。灼熱のスペインから戻ってきた短パン男子にとっては酷である。 とりあえず初日に泊まった宿へ再びチェックインし、夜行列車の湿気でべたべたになった体をシャワーでリフレッシュだ。…

ヨーロッパ紀行 第6夜 コンスエグラ マドリード

風車の立ち並ぶ小高い丘の上を温かい風が吹き抜けていく。周りを見渡すと、一面赤茶けた大地が広がる…。まさに思い描いていたラマンチャ地方の風景そのままである。昨日のトレドに引き続き、日本では確実に見ることのできない風景がそこには広がっていた。 …